Dockpit

「依頼されたものを作る」で終わらない。映像コンテンツ制作現場のデータ活用事例

ビービーメディア株式会社

公開

「企画力」×「実現力」で、ブランドを輝かせる映像やWebコンテンツ制作が強みのビービーメディア株式会社は、施策提案におけるデータ活用に力を入れています。データを活用することで、他社との差別化にどうつなげているのか、社内での取り組みも含めて、同社MI推進セクターの方々にお話を伺いました。

目次
大切にしているのは、クライアントに寄り添うこと
Dockpitの活用事例:「当たり前だよね」に説得力を持たせる
データに基づいた提案力強化へ。MI推進セクターが発足
目指すのは、データを得て終わりではなく、活用すること

大切にしているのは、クライアントに寄り添うこと

――まず、ビービーメディアの事業内容や強みを教えていただけますか?

ビービーメディア 森田裕美さん(以下、森田):私たちは、映像・インタラクティブ・テクノロジーが一体となって、クライアントのブランドを輝かせるコンテンツを企画・制作しています。前身の会社がテレビCMの制作から事業を始めたこともあり、大手クライアントとの直のお取引が多いことが強みのひとつですね。

大切にしているのは、クライアントに寄り添った支援をすることです。クライアントの希望と消費者目線を持ち合わせながら、よりよいアウトプットを出すことや、クライアントがまだ気づいていないブランドの「良さ」を見つけ出し、より輝かせることを意識しています。おかげさまで、10年、20年にわたってお付き合いしているクライアントも多いです。

MI推進セクター プランニングディレクター 森田裕美さん

ビービーメディア 神田卓也さん(以下、神田):クライアントが抱えている課題は何かという視点から入るのがビービーメディアのやり方です。「これが当社の強みだから、これを買ってください」といったスタンスではありません。直接クライアントと対話して、そこから自分たちが提供できるソリューションは何だろうと考えています。

ビービーメディア 田中仁史さん(以下、田中):あくまでも私たちの仕事は、クライアントの商品を売ることなので、何よりも商品の魅力がわかりやすく伝わるコンテンツ制作を意識しています。例えば薬品の広告なら、どんな効能があって、どんな悩みに効くのかを、できるだけシンプルにターゲットにわかりやすく伝えるなどですね。ここがクライアントから高く評価され、何年にもわたって受け継がれている部分だと思います。

(左)MI推進セクター プロデューサー 神田卓也さん
(右)MI推進セクター 企画演出 田中仁史さん

Dockpitの活用事例:「当たり前だよね」に説得力を持たせる

――データ活用の面で、ビービーメディアはヴァリューズのWeb行動ログツール「Dockpit(ドックピット)」を活用されていますよね。どのように提案に活かしていているか、教えていただけますか?

田中:Dockpitはトレンドのチェックに活用しています。例えば、調味料を扱うクライアントからはレシピ動画の制作を依頼されることが多いのですが、その調味料がどんな料理に使われているかをDockpitの検索ワードや関心ワードを使ってチェックします。

データを見ると、「この調味料をその料理に合わせるのか!」といった新たな発見もありますし、「やはりこの組み合わせが多いんだな」という仮説に説得力を持たせることが可能です。

Dockpit画面キャプチャ。「醤油」検索の掛け合わせワードを一覧で見ることができる

田中:また、属性別マップを見て、本当にその商品がターゲット層に合っているかをチェックするなど、仮説作りにも使っています。例えば、クライアントに対して、「日本で一番食べられているのはカレーです」とだけ言っても、納得してもらうことは難しいですよね。そこに、「データはこうなってます」というだけで、説得力を持たせられます。

Dockpit「属性別マップ」機能では、掛け合わせワードの性年代属性ごとの違いも可視化できる

森田:特定Webサイトをディレクトリ単位で分析できる点も重宝していますね。例えば、ホールディングスのブランディングのCM企画を考える際に問題となるのは、ホールディングスのイメージをどうとらえればいいのかということ。そのホールディングスの顧客とは、一体誰なのかをとらえたいときに、そのホールディングスのサイトだけで競合分析しながらもDockpitはディレクトリ単位で分析できるので、傘下にある企業単位でもブランドの既存イメージを掴むことができ、役立っています。

データに基づいた提案力強化へ。MI推進セクターが発足

――データ活用における課題などはありますか?

ビービーメディア 相原俊紀さん(以下、相原):会社全体を見ると、データの重要性について社員全員への理解を浸透させていきたい思いがあります。そこで新設されたのが、MI推進セクターです。

MIは「マーケティングインスピレーション」を意味しており、マーケティング発想でデータを制作に活かしていくカルチャーを作ることを目指しています。

MI推進セクター プロデューサー 相原俊紀さん

――目指すカルチャーについて、具体的に教えていただけますか?

森田:クライアントとの関係において、当社がコンテンツ制作の川上からサポートするときに必要な仕組みを確立するほか、データに基づいた企画提案ができる人材を育成していきたいと考えています。そのような人材は、クライアントが最終顧客に対してどういうコミュニケーションをとればいいのかといった、コミュニケーションの設計もできるようになっていくでしょう。

また、クライアントのなかには、自社でデータ分析をする時間がない企業も多い状況です。データを活用することで、広告制作から配信後までワンストップでサポートを提供できるパートナーになれると考えます。

――具体的に、どのようにしてデータの重要性を社内に浸透させているのでしょうか?

森田:まず、データというものに慣れてもらうようにしました。私たち4人がハブとなり、営業担当からのデータ分析要望に対応するようにしています。共通のスプレッドシートに依頼を書き込んでもらい、こちらからは希望に合った調査データを渡すのです。最初は、「どんな依頼をすればいいかわからない」「そもそもどんなデータがあるのか」など、とまどいも見られたので、サンプルを紹介しながら徐々にデータに慣れていってもらいました。

この取り組みを始めて3ヶ月ほど経ちましたが、データに慣れてきた社員が増えてきただけでなく、社員自身がターゲットやブランドの立ち位置について考え直すきっかけになっていると感じています。

ビービーメディアで活用している「リサーチ依頼シート」。営業などの各部署からのリサーチ依頼を集約し、効率的に社内へのデータ浸透を行っている

目指すのは、データを得て終わりではなく、活用すること

――今後の展望を教えていただけますか?

相原:説得力のあるデータから引き出した仮説をもとに改善提案をすることで、クライアントに一層寄り添ったサポートをしていきたいです。

森田:そのための次のステップは、得たデータを読み解き、活用する力を身につけること。データを見て「へぇ」で終わってしまわないよう、そこから示唆を導き出せる人を増やしていきたいです。

データを活用する力を身につけるための取り組みのひとつとして、アイデアソンも有効と考えています。当社では、もともとアイデアソンの文化が根付いています。普段クライアントに向けた提案業務を行うプロデューサーだけでなく、社内の有志のメンバーが集まって、あるテーマについて1時間で企画を考えて発表するということを月1ペースでイベント化して行っているのです。

Dockpitによる市場データを使えば、企画を考える上のテーマ設定において、実際のデータに基づいたオリエンシートを作ることができます。データを読み解きながら、みんなでアイデアソンをやっていくことで、社内のデータ活用力の底上げにつなげていきたいですね。

神田:まだまだ試行錯誤の段階ですが、データに基づいた提案は社内で着実に浸透しつつあります。データを活用した提案力が強化されれば、クライアントにとって信頼されるパートナーになれるはず。データ活用力を高めることで、より深いクライアント支援につなげていきたいです。

取材協力:ビービーメディア株式会社

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