消費者ニーズやブランド認知度を測るツールとしても活用 ~ 日本ペットフードの導入事例|Dockpitユーザー会レポート
日本ペットフード株式会社
公開
株式会社ヴァリューズが提供するWeb行動ログ分析ツールDockpitの有料契約者限定で開催された「Dockpitユーザー会」。有料契約者の導入事例として日本ペットフード株式会社を迎え、ツールの導入に至った背景や活用方法、活用メリットについて紹介いただきました。 マナミナ編集部もDockpitユーザー会に参加。日本ペットフード株式会社の独自のツール活用術についてレポートします。
スピーカー紹介
Dockpit導入背景
日本ペットフード株式会社 津々樂仁美氏(以下、津々樂 ):日本(にっぽん)ペットフード株式会社(以下、日本ペットフード)は1963年に設立した日本のペットフードメーカーです。
日本で初めてドッグフードを販売した会社であり、ペットフードメーカーとして大きな成長を遂げています。
従業員数は現在179名ですが、スタッフとして犬・猫それぞれ60匹ずつが、商品開発のためのフード味付けのお手伝いをしています。
Dockpitとの出会い
津々樂:日本ペットフードがDockpitと出会ったきっかけは、ヴァリューズが運営するメディア「マナミナ」の記事を読んだことがきっかけ。新型コロナウイルス流行を機に、これまでよりも健康を気にする人が増えたという記事でした。
そして、コロナウイルスから身を守りたい、つまり免疫力を上げたいという「健康」に対するニーズが高まり、「免疫力」というワードで検索するユーザーが急激に伸びているということを知りました。
Dockpit無料版を使い「免疫力」というキーワードを検索してみると、免疫力を軸に「食べ物」「乳酸菌」「犬」「猫」のように、人間だけでなくペットの健康も気になっている検索ユーザーが多いことが分かりました。
そのことから、「免疫」という機能を付加した商品を販売することとなりました。
さらに健康維持も考え人間にも使用されているハウスの乳酸菌『L-137』をペットで初めて配合しました。消費者のニーズと合致したことによって、販売から売上は右肩上がりに伸びている状態です。
Dockpit導入前の問題点
津々樂:日本ペットフードの商品の反応は売上でしか判断できず、オンラインでの自分たちの立ち位置がいまひとつ分からないという状況でした。
Googleアナリティクスを使うことで
・どの地域から閲覧しているのか
・どのチャネルからページが閲覧されているのか(流入経路)
・ユーザーの属性
・サイトに訪れた人の行動
などはWeb上でデータ収集できます。
しかし、Googleアナリティクスは自社と他社の比較は難しく、商品を実際に購入してくれる顧客のニーズを正しく把握できないという課題がありました。
そんな中、
・トレンドやニーズが数値化され客観視できる
・オンライン情報を競合と比較できる
など、Googleアナリティクスでは得られなかった情報を把握できるツールとして、2021年7月にDockpitが導入されました。
Dockpit活用事例
では、日本ペットフードはDockpitを導入したことで、具体的にどのように活用しているのでしょうか。
津々樂:マーケティング部を中心とし、社内の様々な部署に情報として提供しています。今回は5つの活用例をご報告いたします。
≪5つの活用方法≫
①HP他社比較
②ニーズの確認
③認知確認ツール
④販売店特長比較
⑤情報ツール
※本記事では、②〜⑤の活用方法について順番に解説します。
活用事例:ニーズの確認
津々樂:まず、ニーズの確認です。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で在宅時間が増え、癒しを求めるため犬や猫などのペットを飼い始める人が増加しています。
実際にペットを飼っている世代データを見てみると、20代前半〜30代後半のミレニアル世代が多い傾向にあるということが分かりました。つまり、これからはペットを飼うことに関心を強く持っているミレニアル世代のニーズを正しく把握することが、売上のカギを握るという結論になりました。
調査の中で言葉のイメージだけで使用してみたいフードを聞いてみると、次のような結果になりました。
1位:無添加フード
2位:機能性フード
3位:栄養食フード
4位:ナチュラルフード
5位:グルメフード
ランキング1位の「無添加」というワードと、同じ意味を持つ「ナチュラル」をDockpitで検索・比較してみました。すると、新型コロナウイルス発生の2020年3月頃から、「無添加」というワードで検索する件数が増加していることが分かります。
検索意図は、気になる添加物を排除することで「ペットに安心してフードを与えられる」「ペットの健康を維持したい」というニーズの現れなのではないかと予測すると、無添加のニーズが高まっている理由が納得できます。
そして、「無添加」というワードで検索している年代別に見ていくと、ペットを飼い始めた年代が多いミレニアル世代がより反応していることが分かりました。
この結果から、ニーズの高まりとミレニアル世代をターゲットにした無添加の商品「COMBO Pure(コンボ ピュア)」が誕生することとなりました。
活用事例:認知確認ツール
津々樂:続いての活用方法は「認知の確認ツール」という使い方です。
Dockpitには検索意図を明らかにし、関心のあるワードを視覚的にわかりやすい形で表示する「ワードネットワーク」という機能があります。一つのキーワードを軸に、関連性が強いワードがまるで木の枝のように広がり、線で結ばれて表示されるのが特徴です。
この「ワードネットワークの大きさ=認知度の高さ」という測り方をしました。
日本ペットフードの商品で、最新栄養学に基づくレシピを採用した「ビューティープロ」。
商品の認知度を図るため、2020年6月〜2021年5月の期間でワードネットワークを調べてみると、認知度が低いことを表す小さな輪と、「ハンドケア」のように別商品が関連キーワードとして表示されている状況でした。
認知度拡大のためビューティープロの広告を打った後、再びワードネットワークで調べてみたところ、輪の大きさが広がっただけでなく、ペットフードのキーワードとして認識されていることに変化しました。
健康を気遣った競合の商品も同時期に広告を打ったことで、ワードネットワーク内に表示される関連キーワードが増加しているのが見て取れます。輪の大きさと関連キーワードが増加したことに比例するように、2ブランドともに順調に売上を伸ばしているブランドとなっています。
一般的に、ブランド認知調査をするためには、調査方法によっては膨大な時間と高額な費用がかかるものです。
しかし、ワードネットワークの機能を使い、「輪の大きさ=お客様の声」という認識でマーケティングを行うと、認知度を測るツールとして活用することができます。
活用事例:販売店の特長ツール
津々樂:次に紹介する活用方法は「販売店の特長ツール」です。
ホームセンターで販売していることが多いペットフード。ホームセンター大手の2社を比較し、販売店の特長を可視化してみました。
下の図を見て分かる通り、A社は高齢の男性、B社は若い女性と主要となる顧客層が異なります。
販売店が狙う客層を知ることが出来れば、ターゲットに合わせた「提案=営業」ができるのではと思い、Dockpitで得た情報を営業部と共有することで、日々の業務に役立てています。
活用事例:情報検索ツール
津々樂:最後の活用方法は「情報検索ツール」です。純粋に検索ツールとしてDockpitを活用する方法です。ここでは「原料情報」と「社会貢献」の2つの項目で、情報収集した実例を紹介していきます。
■原料情報
ペットフードを入れる袋の生産にはなくてはならない材料「酢酸エチルがタイトになっている」と包材会社より連絡があったのがきっかけ。
ペットフードで起きている問題は食品でも必ず同じ状況になっているので、Dockpitで酢酸エチルについて検索してみると、やはり検索件数が増加していることが分かりました。そのため、急遽包材を手配し迅速な対処を行うことができました。
■社会貢献
日本ペットフードの企業使命に掲げているように、社会に貢献していきたいという思いから、「社会貢献」というワードで検索したのがきっかけ。
「社会以外で誰が求めているのか」という視点で見ていくと、「志望動機」というワードが関連づけられていました。
つまり、これから日本ペットフードに入社したいという方は、志望動機の中に「社会貢献していきたい」という思いがあるのではないかということを仮定しました。そのため、社内の別部署でも検索結果を共有することで、採用にも役立てています。
Dockpitを導入したメリット
Dockpitはさまざまな使い方ができるので、あらゆるシーンで活用している日本ペットフード。導入したからこそ分かるDockpitのメリットを伺いました。
・トレンドを数値化でき、客観視できる大変便利なツール
・情報を色々仕入れるために、使い方次第でいろんなツールになる
ーー Dockpitを存分に活用されていますね。
津々樂:はい。ミーティング中もDockpitで検索しています。どの世代がキーワードに反応しているか即座に確認できるので、ある意味Google検索より分かりやすいです。
ーー 社内でデータ展開をしていて、特に喜ばれた場面や、これいいねと言っていただけたような場面はありますか?
津々樂:販売店を比較することで特長が見えるので、販売現場を知る営業マンとの会話で意見や戦略を一致させることができます。つまり、「ネットで得た情報」と「現場のリアルな情報=実感値」がリンクしデータとして数値化されるので、同じ方向を向いて進めていけます。
まとめ
今回 はDockpitの導入企業である日本ペットフード株式会社より、Dockpit活用方法を紹介いただきました。
Dockpitは約3〜4ヶ月に1度の頻度で新機能のリリースや仕様変更を行っています。普段の業務やミーティングなど使うシーンを選ばず、いつでも活用できるツールを目指して開発を推進しています。
競合分析や市場調査、仮説検証などの情報収集時間を短縮し、視覚的に表示されたデータを使ってマーケティングの戦略に役立てることが可能です。
Dockpitにご興味のある方は下記より無料版をお試しできますので、ぜひご利用ください。