ログインが意外な障壁?フォーマット作成で業務フローに落とし込む ~ Kaizen Platformの導入事例|Dockpitユーザー会レポート
Kaizen Platform
公開
株式会社ヴァリューズが提供するWeb行動ログ分析ツール、Dockpitの有料契約者限定で開催された「Dockpitユーザー会」。4月は有料契約者の導入事例として株式会社Kaizen Platformを迎え、現場におけるDockpitの活用推進施策について、講演頂きました。最初の第一歩を踏み出してもらうための方法から、継続して使ってもらうための方法まで、ツール導入でお悩みの方へのヒントとなる情報をレポートしていきます。
スピーカー紹介
Kaizen Platformの会社紹介
株式会社Kaizen Platform(以下、Kaizen Platform)は企業の事業に合わせて、最適なデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するプラットフォームとサービスを開発・提供している会社です。
広告代理店やBtoBのマーケティング支援を行っており、クライアントへの提案の際にDockpitを活用しています。
Kaizen Platformは主に「UXソリューション」「動画ソリューション」「DXソリューション」の3つのソリューションを提供しています。
サイト改善の事業を実施している「UXソリューション」は、「KAIZEN ENGINE」というABテストツールと、それを実行する「KAIZEN TEAM」というマーケティング支援チーム、以上2つのサービス提供で成り立っています。
このレポートでは、主にKAIZEN TEAMでDockpitを導入した例を紹介していきます。
Dockpitの導入目的
KAIZEN TEAMでは、受注と案件の質向上のため、「営業活動での事前分析」と「受注後案件のサイト分析」の2つを主な目的としてDockpitを導入しています。
①営業活動での事前分析
初回アポイントメント前にサイトボリュームやPV数、競合比較などのデータを事前調査したうえで、営業の提案に活用しています。
②受注後案件のサイト分析
案件の受注後、流入経路や流入キーワードなどの他社比較を行い、サイトの質向上のために強化していくべき要素の抽出、提案に活用しています。
このようにDockpitの導入目的はあるものの、社内での活用が推進されないことが課題となっていました。そこで実施されたのが、以下のような施策です。
現場へのDockpit導入方法
営業の提案や実行に生かしてもらうため、まずはDockpitの社内勉強会を企画・実施しました。
Dockpit勉強会(初級編)では「ログイン方法」や「基本的な使い方を覚える」など、ゴールやアジェンダのハードルを低く設定しながら、ツール活用の促進を行っていきました。
具体的なステップとしては以下のようになっています。
ステップ①Dockpitへのログイン
IDやパスワードの確認、ログイン経験の有無の確認といった、ツールを触るところからスタートしました。
その結果、「意外と使いやすかった」「なんでもっと早く活用しなかったんだろう」という声があがったそうです。
アカウント設定が手間でついつい後回しになっているケースや、新しいツールを習得するのは難しいというような先入観は、まずはログインから一緒にやってみることで、解決していける問題なのかもしれません。
ステップ②基本機能の紹介
次に、Dockpitの基本的な使い方を、業務上よく使う機能にフォーカスしてレクチャーしていきます。
KAIZEN TEAMでは、前述の通り他社比較によってクライアントが強化すべき要素を明らかにする必要があります。そのため、Dockpitの競合分析機能から触ってみてもらうように企画しました。
実際に業務で活用するには「どういう使い方をしているのか」というところまで伝えることが重要となります。そのため、「Kaizen Platformの自社サイト」と「競合他社サイト」を比較した画面を資料に起こし、基本機能の説明を行いました。
配布した資料では、競合分析の画面をキャプチャし、チェックするポイントや考察例などのコメントを付け加えながら、データの読み解き方を共有しています。
ステップ③実案件をテーマにした実践
基本機能の説明を行った後には、実際に参加者自身が担当している案件や、今後提案を控えている案件について、模擬分析していく個人ワークの時間も15分程度確保します。
抽出したデータをどう読み解いていけるのか、資料の例のようにコメントを記載してもらったり、勉強会参加者同士でディスカッションをすることで、実際の現場でも存分に活用できるような練習を実施します。
ステップ④応用的な使い方の紹介
Dockpitは閲覧している画面のURLを発行して社内共有することや、サイト全体でなくページ単位でコンテンツを詳細に分析することが可能です。
このように、業務上よく使う基本機能とデータの読み解き方の紹介、実案件をテーマにした実践、応用編という流れで勉強会は進んでいきました。
「使ってください」とただ促すだけでは、現場メンバーに自ら利用してもらうのは難しいもの。ログインや簡単な使い方の共有から始め、その場でツールを使ってもらう機会を60分程度作ることは、第一のステップとして重要であると西田さんは言います。
Dockpit勉強会後の施策
Dockpitの勉強会を実施しても、その日から利用頻度が高まったり、使いこなしたりすることはなかなか難しいのが現状です。
そういったことから勉強会後の取組みとして、「業務フローへの導入」と「定期的な社内勉強会の実施」という2つの施策を実施しています。
①業務フローに導入する
勉強会でツールの利用方法が理解できても、自分で継続的に利用していくにはハードルが高い、という状況が現場では起こりがちです。継続利用を促すため、Kaizen Platformが行った施策の1つ目が、Dockpitの業務フローへの導入です。
受注後案件の取り組みに、Dockpitを活用した「定量分析」を必ず組み込むよう、フォーマットの作成を行いました。
業務フローの変更は負荷が高そうな印象がありますが、既に定量分析で複数のツールを使っていたこともあり、そこにDockpitを追加していくだけなので、導入ハードルは低かったそうです。
一からフローを構築するのではなく既存のフローに追加する状況だったことと、データ抽出方法のマニュアルやアウトプットのフォーマットを作成したことで、現場の抵抗感が抑えられたと言います。
②定期的に社内勉強会を実施する
業務フローにツールを組み込み、利用するうちに出てきた困りごとを解消したり、きちんと使いこなせているかを確認するために、隔月程度で勉強会も実施しています。Dockpitの新機能の紹介も、このタイミングで行われているそうです。
まとめ
今回は、Dockpit導入企業である株式会社Kaizen Platform社内における、Dockpitの活用推進方法をレポートしました。
施策としては、まず「簡単な勉強会を開き、ログインから一緒にやって使ってもらう」ことで導入初期のハードルを排除し、次に「業務フローに組み込む」ことで継続的に使ってもらうための基盤作りを行いました。
そして、「利用する上での困りごとの解消」や「新機能の使い方の共有」も定期的に行うことで、継続した活用に繋がっていった事例でした。
最初から難しいことを共有するのではなく、ハードルをできる限り低くしてツールに触れるというきっかけ作りが、ツール促進の大きな一歩となっていくことでしょう。