EC改善に使えるヴァリューズの新ツール「Dockpit」の強みとは?ディノスCECO石川さんに聞いてみた

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Client
株式会社DINOS CORPORATION

国内の主要Webサイト・アプリ分析ツール「eMark+」を中心に、Web行動ログデータを用いた数々のマーケティング・ソリューションを提供してきた株式会社ヴァリューズ。今年10月、そのeMark+をより進化させた新しいWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」をリリースしました。Dockpitは他の分析ツールとどのような点が異なるのか。eMark+も愛用いただいていた、株式会社DINOS CORPORATION(※)のCECO(Chief e-Commerce Officer)の石川森生さんに、Dockpitが実務にどう役立ちどんな課題を解決するのか、お聞きしました。(※取材当時:株式会社ディノス・セシール)

目次

    ディノス・セシールECのWeb分析戦略とは

    ―ディノス・セシールのEC責任者である石川さんですが、現在どのような業務をされているのか、あらためて教えてください。

    当初、「カタログ・テレビ通販を中心としていたディノス・セシールにeコマースの売り場を作る」ことを目標に、設立させてもらった新しい組織がEC本部でした。

    その後Webの運用が形になってからは、足元の数字づくりはチームのメンバーに任せ、私は今後のビジネスの種を作るような仕事に携わっています。カタログ・テレビ通販に対してテクノロジーでレバレッジを効かせられる領域を探り、ディノス・セシールの両事業を横断してプロジェクトを多数回す、といったことですね。

    株式会社 DINOS CORPORATION(取材当時:株式会社ディノス・セシール)
    CECO 石川森生(いしかわ・もりう)さん
    ディノス・セシールのCECO(Chief e-Commerce Officer)として、既存の枠組みを超えるサスティナブルなECビジネスを構築するというミッションを実践している。

    ―そんなディノスセシールのECサイト運用ではどのようにWeb分析ツールを使っているのでしょうか?

    基本的にはGA(Googleアナリティクス)をベースに見ています。有償版のGoogleアナリティクス360を利用し、「Google Cloud Platform」のサービス群に含まれる「BigQuery」で会員情報と連携、BIによる分析やMAによるシナリオ設計を行う、というのが大枠ですね。

    GAを見る必然性としては、我々はプロモーション企画で月に100本程度のLPを運用しており、そのパフォーマンス分析を行うからです。ただし、デイリーで見なければいけない指標はGAにログインしなくても確認できるようにしています。例えばデイリーの売上目標に変動が起こったときなど、セッションベースで状況を見なければいけないときのみGAで見る形です。

    ―LP運用では検索エンジン最適化(SEO)が重要ですが、コンテンツ制作の際にはどのような外部データを活用しているのですか?

    スタティックなキャンペーンを打つとき、運用のルーティンの中ではSEOのためのキーワード選定ツールを恒常的に使っています。これは、企業側の目線ではないユーザー目線の言葉を選ぶためです。

    例えばLP内に意図せずして業界用語を使ってしまう場合はよくあります。ユーザーはその言葉を使いませんし、別のワードで検索するので、当然LPは検索にヒットしなくなってしまう。また、商品名には「ふわふわ」のような感性的なワードがよく入っていますが、これも機能的な言葉や素材軸に落とす必要があります。

    キャンペーンを打つ際はSEOを意識した言葉選びが重要ですが、最近ではいわゆる商品担当=MDも、このようなWeb側の事情を捨て置けなくなっていますね。商品詳細に情報を入れるときに、感度の高いMDはSEOを気にして言葉を調べるといった利用シーンも起こってきています。

    Dockpitの強みはキーワードと属性がセットなところ

    ―石川さんは新しいWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」を使ってみて、どのような印象をお持ちになりましたか?

    今まで利用していたeMark+は、新しい事業カテゴリを攻めたりするときにデータを深掘り、市場や競合への考察を推進するツールいう印象でした。これはデータの独自性があるからこその特徴だと思います。一方で課題としては、担当をつけて毎日にらめっこをするツールとしては、事業会社ではなかなか難しいとも感じていました。

    その点を踏まえていただいたのか、今回「Dockpit」としてリブランディングされたツールではUI改善も行われていて、運用チームが毎日使うことを前提に作られているという印象でした。日々のデータを見るリサーチに特化されていて、より特定業務に使いやすくなったかなと思いますね。

    新ツール「Dockpit」のキーワード分析機能では、特定ワードのユーザー数推移や性年代、居住地域といった属性の分析がブラウザ上で分かりやすく行える

    ―ありがとうございます。具体的にはDockpitをどのようなシーンで使用したのでしょうか?

    直近では、キーワード分析機能を使って「オフィスカジュアル」のワードを調べました。Dockpitで見るとこのワードの検索ボリュームは月4万件ほどで、1枚のスタティックページで作るページとしては全然アリです。

    ポイントはDockpitではユーザー属性が見られる点です。実は「オフィスカジュアル」の年代別属性を見ると、比較的若い層が中心となっていました。すると、ディノス・セシールのターゲットユーザーとは少しズレてしまいます。

    そこで、Dockpitのキーワードレコメンド機能である「類似ワード」を使って別のキーワードを探した結果、「通勤服」を選定しました。このワードだと50代や60代がメインで見ているので、狙う層としてはぴったりです。このように、キーワードと属性がセットで見られるツールはあまりないので面白いと思います。

    さらに、キーワードの検索数推移を時系列で見られる機能「季節比較」も良いですね。例えば「オフィスカジュアル」という言葉と共に検索されるワードが「季節ごとにどう違うか」を把握できます。これを使って、ページのメンテナンスをするタイミングを年間スケジュールに組み込んだりもしていました。

    今後の展開は?デジタルマーケターの課題も

    ―今後のECサイト運用の展開としてどのような方向性を考えているのか、教えてください。

    LPページには、例えば「運動会ファッション」程度の粒度まであり、相当な範囲を網羅していると考えています。そこで、現在は新しく追加しなければならない要素はないかなど、ブラッシュアップのフェーズです。

    そうした中で、先ほども少しお話ししましたが、マーチャンダイザーがDockpitを使ってくれるとよいなと思っています。半年や1年という長期スパンで商品企画を考えていくときに、顧客の声を吸い上げるところから商品を作るような動きを、ルーティンの中で進めていけたらより良いでしょうね。そんな使われ方をDockpitでは望むべきかなと思います。

    また、これはECデータについて常に思っていることなのですが、コンバージョンに近いファクトベースのデータが欲しいです。SEOコンテンツでは、セッションは取れているが結局コンバージョンにつながらない、という場合も多々あります。現状ではセッションをKPIとして追いかけていますが、やっぱり「ココを改善したらコンバージョン率が上がる!」と分かるとテンションが上がるわけですね。

    デジタルマーケターは最終的な成果ではなく中間コンバージョンを追うことにともすると寄りがちです。ただ、本当は最終的な売上がもっとも重要だという意識は、常に忘れずに心がけていきたいですね。

    ―成果を出すためにいかにルーティンに落とし込めるかを意識されている点が印象でした。Dockpitを通じて、マーケターさんの事業課題の解決にもっと寄り添っていければと思います。本日は貴重なお話をありがとうございました!

    取材協力:株式会社 DINOS CORPORATION
    (取材当時:株式会社ディノス・セシール)

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