自社に沿ったDXを実現するデータ活用人材の育成とデータを活用した意思決定が出来る強い組織作りとは|「VALUES Marketing Dive2024 Premium」レポート

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ヴァリューズは、"データを通じて顧客のことを深く考える"、"マーケティングの面白さに熱中する"という意味を込め、マーケティングイベント「VALUES Marketing Dive」を6/25に開催しました。第4回目となる今回の全体テーマは「Think & Expand - 潜考から事業拡大へ」。企業の成長、事業拡大を目指すマーケティング戦略、組織について考え、革新的な思考・潜考がどのように事業拡大に繋がるのか、マーケティング組織のマネージャーやエグゼクティブが押さえておきたい"Premium"な知識や事例をご紹介。本記事では、DX推進に直結するデータ活用人材育成、データドリブンな組織・企業文化の醸成方法を解説した講演をご紹介します。

目次

    スピーカー紹介

    図:スピーカー紹介
    株式会社ヴァリューズ 執行役員 DX推進支援事業責任者 石間史彦、
    株式会社ヴァリューズ データソリューション局 DX推進支援G アシスタントマネジャー 若尾あすか

    DX推進の裏で、遅れるデータ活用の実情とは?

    株式会社ヴァリューズ 若尾あすか(以下、若尾):今回は「自社に沿ったDXを実現するデータ活用人材の育成とデータを活用した意思決定が出来る強い組織作りとは」と題し、DXを推進するためのデータ活用人材の育成方法について考えていきたいと思います。

    まずはDXやデータ活用人材の持つ社会的背景から説明を始めます。DXという言葉は数年前から皆さんも耳にされていると思いますが、2024年の現在でも経済産業省は情報化・情報産業分野の主要な施策と位置づけるなど、企業のDX推進が掲げられています。実際、下図右側にもあるように、中堅・中小企業、大企業を区別した上でのDX認定をはじめ、どのようにDXをはじめたらいいのかというガイドラインの提供支援なども行われています。

    図:企業のDX推進取り巻く環境

    上図左側には改めてDXの定義をあげました。DXは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。

    しかし実際には「どのようにデータ活用をしたらいいのか分からない」「DX推進のためにツールを入れたが上手く使いこなせていない」といった声も少なくありません。

    では、国をあげての施策が取られているにも関わらず、なぜデータ活用が進まないのでしょうか。

    その理由のひとつにデータ活用人材の不足が挙げられると考えます。ある調査によると、企業内のデータ活用人材の内製化が進まないのは、社内での人材育成および確保ができないという理由が大半を占めることがわかりました。

    DX推進時に求められる実践型データ活用人材とは?DX推進時に求められる実践型データ活用人材とは?

    若尾:ここからは育成・確保が求められるデータ活用人材についてお話しします。

    まず、ヴァリューズの考えるデータ活用人材の定義についてご紹介すると、「課題設定・データの収集~加工~分析から得られるアウトプットを、ビジネスの意思決定・アクションへつなげられる人材」かつ「技術的スキル・問題解決能力・コミュニケーション能力などを持ち合わせた人材」となります。

    もちろんこれら全てを一人で担える人材だけをデータ活用人材と呼ぶわけではありません。課題に対してデータから得られる情報が、その後の具体的なアクションに繋がることを理解し、そのようなフローの中で活躍できる人の総称がデータ活用人材と見なされると考えています。

    株式会社ヴァリューズ 石間史彦(以下、石間):データ活用人材として理想的な人物というのは、ビジネス感覚もITスキルも兼ね備えている人であり、実務でデータを使った課題解決ができる人かと思います。

    一方でそのような理想的な人材をいざ育てようとすると、なかなか社内で教えられる人がいなく、仮にいたとしてもその人は業務に引っ張りだこで人を育てる余裕がない、といった状況をよく聞きます。にも関わらず、実際にはひとりだけでDX推進をしていて、かなり苦労されているという話をよく耳にします。

    新しいことを推進していくには、カルチャーを作ることが肝です。そのため、少なくとも熱量がある人、賛同する人の2名体制でチームを組むことを推奨します。また、スキル習得などは個人任せにするのではなく、目標設定に組み込むなど組織的なバックアップも必要だと考えます。

    図:VALUESの考えるデータ活用人材とは

    石間:ヴァリューズにおいては、どんなに優秀な担当者だとしてもひとりに任せきりにするのではなく、2名以上のチームで取り組むことを意識しています。チームで進めることによってチーム内で同じ話ができ孤立せずにすみますし、自然とカルチャーができるというのもあります。さらには周りに波及させる際にもスムーズに実行しやすくもなります。

    また、お客様へのご支援で弊社がBIツールをご提案する際にも、基本的には2ライセンス以上での導入を推奨しています。なぜ2ライセンス以上にするかというと、1ライセンスのみの導入となれば、結局ひとりの担当者が仕事を抱える可能性が高いからです。2ライセンス以上で複数人でDX推進にあたることで、自ずとチームという形態が生まれます。さらに、取り組み内容を共有したり聞き合うことで、コミュニケーション機会も増え、相互理解も深まり、自然とカルチャーづくりの第一歩を踏み出せるからです。

    このように文化を作ることを意識して体制を作ることで理想的な人材が育ちやすくなると考えます。

    データ活用人材育成の4要素とチーム編成のすすめ

    若尾:ヴァリューズが考える「データ活用人材育成の4要素」を簡潔にご説明します。

    まず1つめは、ミッションやビジネスに沿ったスキルの定義とニーズの把握。これはメンバーがどのような知識を習得したいと思っているのかという要望の把握にも役立ちます。

    そして2つめは、組織で取り組む教育プログラムを構築し、実際にトレーニングを実行すること。こうして段階的に実行力が身につきます。

    3つめが、実務でのデータ活用を行っていくこと。日々の業務に取り入れることで、よりデータ活用が身近になりスキルも向上します。

    4つめが、自己研鑽として、メンバー自身で学習を進められる環境や時間を提供することや、資格の取得に奨励制度を設けること。データ活用スキル向上のための後押しとなります。

    これらの4つの要素を組み合わせたり、段階的に実施していくということが基本的な育成の流れになります。またこちらの4要素は表面的に取り組むというのではなく、組織や企業として取り組みの意義を定めた上で、マネージャーが率先してグループを巻き込んでいく姿勢を見せていくことが重要と考えます。先ほど石間からの提言にもあったように、マネージャーひとりではなく、仲間を巻き込んで複数人で進めることが継続にも繋がります。また、組織全体で推進することでメンバーの心理的満足度も上がり、獲得できるスキルの質向上にも繋がると考えます。

    図:データ活用人材育成の要素

    事例|ヴァリューズにおけるDX推進コンサルタントスキルの整理・明確化

    若尾:ヴァリューズのDX推進グループのミッションは、クライアント企業のDX化、デジタル利用をすすめるためのコンサルティング業務となります。そのため、コンサルタント全員に高いデータ活用スキルが求められます。そのようなヴァリューズが、どのようにしてコンサルタントのスキルの向上・育成を行っているのか、先ほどご紹介した4要素の中から「スキル定義とニーズの把握」にフォーカスし、ヴァリューズが行った事例をご紹介します。

    ヴァリューズのDX推進グループでは、全社教育のプログラムが用意され、個人が各案件を通しての自己研鑽を行っています。しかし、一度立ち止まってキャリアを見据えてみると、「どの分野からスキル獲得を進めたらいいのかわからない」、「自分の現在地がわからない」という声が多く聞こえるようになりました。そこで個人が成長実感を得やすくなるために、DX推進グループにおいて必要なスキルの整理・明確化を実行したのが、本日ご紹介する事例となっています。

    具体的にはまず「スキルの洗い出し・整理」を行った後に、メンバーのスキルの保持状況を継続的に確認し活用できるような仕組みを整えました。

    図:DX推進コンサルタントスキルの整理・明確化

    若尾:この「スキルの洗い出し・整理」ですが、実施してみるとこのステップが一番大変でした。私もこのプロジェクトに参加していたのですが、組織の皆さんの協力を得て取り組んだパートになります。

    「ヴァリューズのコンサルタントは、データの活用であったりDXの推進をリードし、あらゆる業種業態においてデータ活用を行っていく立場として、どのようなスキルやナレッジを持つべきか」というポイントに重点をおき、下図のようなスキルの一覧を作成しました。
    このスキルの一覧はIPAが発行しているデジタルスキル標準や、データサイエンティストが公開しているスキルチェックリストなどを参考にし、最終的には全160種類以上のスキルについて、それぞれの習熟度レベルが3段階で定義された資料を作成しました。

    下図資料の上部にデータビジュアライゼーションダッシュボードを作る際のレベルを3段階で定義しています。このように、ひとつのスキルに対してどのようなレベル感を持つべきなのかを明確に定義しています。

    図:DX推進コンサルタントスキルの整理・明確化(必要スキルの洗い出し・整理)

    若尾:この取り組みは、元々は石間が構想していたプロジェクトです。実際に実施してみて感想などがあれば教えてください。

    石間:この取り組みによって、思考や個性に合わせた細かなチューニングができたこと、個人が足りないスキルなどをポジティブに意識できるようになったこと、逆に、今現在できていることへの自信が持てるようになったことを感じています。

    また個人だけでなく、組織として取り組める仕事の可能性も拡げやすくなり、とても良い効果が出ていると実感しています。具体的には組織全体で見た時に、事業として本来備えられているべきスキルが足りない場合にも、専用のワーキンググループを作るなど、集中的に組織として問題に向き合えるような取り組みにも繋がっていると思います。

    若尾:この事例のように「スキルの洗い出し・整理」を行っていきたいと考える企業様に向けてアドバイスはありますか。

    石間:ツールや技術を学ぶだけではなく、ビジネススキルやスタンスもセットで習得していけるようにしつつ、そこに自己学習が融合するような形を目指せるといいと思います。

    インプットだけではなく、いかに経験できる場を作ってアウトプットし、体験を体に染み込ませていくのかを大事にされることを推奨します。

    実際にスキルマップを作ってみると、物足りない部分が生まれることも理解できますが、そこはあくまでも伸びしろとして認識しておき、コミュニケーションでカバーしていく空気を醸成することが実は大きなポイントかもしれません。
    まずは個人の評価と連動させるような形ではなく、成長時間を感じ、迷子にならないように目標へ導くためのツールという位置づけとして整理していくことをお奨めします。

    まとめ

    若尾:このセッションでは、データ活用人材の育成と組織作りについて、ヴァリューズの事例を交えてご紹介しました。

    現状、データ活用はDX推進の必要条件ですが、そのデータ活用が難しいなどの問題がある中で、人材育成・組織づくりをどのように進めていけばいいのかという点にフォーカスした講演内容となりました。下図に改めてお伝えしたい4点を掲載しましたので振り返ります。

    今後、DX推進を進めるための指針のひとつに、そして、データ活用人材の育成ヒントとなれば幸いです。

    図:最後に

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